経済同友会「地下鉄より保育の24時間化を」
http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000003814.html
ざっくり言うと、産業競争力会議の中で都営地下鉄の24時間運行が検討されていると報じられた件について、優先すべきは24時間保育じゃないか、みたいなことを意見した。そんな内容です。
確かに地下鉄の24時間化も、長時間保育についても、働き方が多様化しているんだから違う形があってもいいよなぁと思います。併行してできるならどんどん検討して欲しいなぁ、とかぼんやり思ったのですが、記事の締めくくりの部分がなんだか少しひっかかりました。
24時間保育を優先すべし、という中で最後に「深夜勤務する女性に対し、環境整備の必要性を強調した」と記載されていたからです。ダブルインカム、つまり共稼ぎで生活し子供を育てるとしたら、深夜勤務の女性にだけ的を絞ったことに違和感があったのです。
で、まぁ本当に発言されたのかわからなかったので、ソースを探したところ、会見の模様がYouTubeで公開されていました。同友会の会見はちゃんと公開されているようです。素晴らしい。ので、缶チューハイ飲みながら流し見しました。
結論から言うと、ああそっか、立派なこと言う人も中身は古い体質のオッサンイズムで、たぶんそれは根深いんだろうなぁと。YouTubeの23分あたりから始まる該当箇所について抜き出します。
【質問者】
(産業経済特区の検討について)いろいろなアイデアが特区で出ているが、24時間地下鉄運行という話も、実際可能なのか?
【同友会長谷川代表】
ああ、新聞に出ていましたね。何事もやろうと思えば実現可能ですけど、それにかかるコストとリターンの問題ですから。ただ、まぁあの、あまり潜入感にとらわれずに試験的にやってみることですよ、なんでも。それがうまくワークすれば続ければいいし、うまくワークしなければやめればいいんだけど。
私、24時間といえば、本当はもっと大事なのは、保育所なんかでも長時間の保育ができる、とくに専門職のような看護師さんとか女医さんだとか、そういう方ですと夜中の勤務だってあるわけですよね。夜中まぁ、ダンナが(子供の面倒を)見ているのか、という話があるにしても、専門職の女性の方でも長時間の残業もあるわけですから、むしろ保育所だとかそういったところがもう少しフレキシブルに長時間預けるような、そっちの方をもっと優先的に考えるべきでないかなと思います。少し地下鉄の話とは違いますけどね。
以上です。
お話された内容は、女性の社会進出にとって障壁が減ることに繋がるわけですから、長谷川代表の言葉も理解できるのですが、長谷川代表の話には、子供の面倒は女性が見る、という固定観念が見て取れますよね。
DINKSという言葉があるんですが、ご存知ですか。Double Income No Kidsの省略した形で、共稼ぎ世帯で子供を作らない選択をした家族を意味します。子供ができないというのではなく、子供を作らないことにした家族です。これに対して同友会では、Double Incom With Kidsを提唱しています。要するに子供持とうぜ! と言っているわけです。
子供を育て、両親の介護もしくは介護費用を負担するような場合、一般的な会社員世帯ではダブルインカムが当たり前になるとも言われているようです。シングルインカムでも、トリプルインカムでも、それは当事者とその周辺環境による選択なので、何が一般的なのかは微妙なところではあり、さまざまな家族の形態があってしかるべきと思います。
ただ、少なくとも「子供の面倒は女が見る」みたいな固定観念って、もうちょっと違うんじゃないかなーと思った次第です。もちろん女が見たっていいし、男が見たっていいし、双方で見たっていいんです。それぞれの選択の問題ですから。なんとなく違うんじゃねーかなーぐらいの違和感です。子供の有無どころが、結婚もできない男子の戯れ言でございます。おやすみやさい。
※ なお、会見の本筋はこの内容とは違います。同友会らしく雇用の問題とかが中心ですのであしからず。動画も貼っておきます。
長谷川閑史経済同友会代表幹事の記者会見発言要旨
http://www.doyukai.or.jp/chairmansmsg/pressconf/2013/130416a.html