
ソーセージうまし!
と、いうのも、レストランやバルで夕食をとるのもそれはそれで楽しいのですが、バルセロナのお店は20時ぐらいから徐々に開店するような店ばかり(ちなみにお昼は13時ぐらい)。お酒と一緒にゆっくりと食事を楽しむ客に囲まれて、ちゃっちゃと食べて仕事に戻らなければならないのは、僕にはストレスなんです。やっぱりお酒、呑みたくなっちゃいますからw
そんなこともあって、カルフールで食材を購入して作ることにしたわけです。僕は海外に限らず、旅行に行くと必ずスーパーマーケットに行きます。そこに生活している人の大切にしているものがわかる気がして楽しいからです。

キッチンスペース
食材を購入してキッチンに立つと、脳みそが整理されていきます。完成をイメージし、そこにたどり着くための道筋を考え、最善を選択する。プロではない僕の料理は継続型のプロジェクトではなく、ショートタームで素早く取捨選択と妥協を織り交ぜなければなりません。頭の中に最短と思われる工程表を描けるようになれば、それが料理だろうが、仕事だろうが基本的には同じ考え方なので、非常に役立つ図面がひけるようになるはずです。
きれいで立派なキッチンには、4口のガスコンロとオーブンがありました。日本にあるガスコンロと同様に、押してからひねるような構造になっていました。しかし、全然火がつきません。いきなりトラブルです。栓をひねるとガスがシュウシュウと出ているようですが、チッチッチと火花が散る音は聞こえません。何度もチャレンジしてみたところ、キッチン周辺がガス臭い。火がついたら大変なことになる! 慌てて換気扇をつけましたw

ガスコンロ。見た目は日本と変わらないような

ひねるところがたくさんあって、なんかオシャレな感じ
どうやら、スパークさせる機能自体がないようです。近代的に見えるガスコンロなのですが、その機能自体が搭載されていないようなんです。仕組みがわかればなんてことはありません、ライターで火をつけるだけです。……でも、ライターなんて持ってない! 禁煙して数年たつので持ってるわけがないんです。
これには途方に暮れました。台所道具も確認しましたが、ナイフやフォーク、スプーン、数種類の包丁、ソムリエナイフ、栓抜き? なのか使い道のわからない器具はありましたが、チャッカマンはありません。生のソーセージをゆでるつもりだったので、火がつかえないことにはゴハンが食べられません。思案しているうちに、電気ケトルのお湯がわいてきました。最悪の場合、電気ケトルの中に生のソーセージをぶちこんで……、悪魔がささやきはじめました。

これか……?
しかし、天使は僕を見捨てませんでした。栓抜きかと思っていた道具がそれでした。火のつかないチャッカマンのようなもので、強く握るとカチッと音がして火花だけ出るものです。かなり強く握らないとカチッといわないので、最初は気がつきませんでした。ガス栓をひねってカチッとやるだけなんですが、なかなかうまくいきませんでした。

ガスをひねって、カチッとやる。どれぐらいガスをひねってよいものか、爆発の不安が……
火がつけばあとは料理するだけです。カルフールの生のソーセージはたくさん入って2ユーロちょっと(300円弱)。普通にゆでるだけでなく、ひとくちサイズにカットして軽く炒めてからトマトソース(0.8ユーロぐらいの瓶詰め、約100円)と絡めてみました。

生のソーセージを生まれて初めて調理しました
パンは、柔らかめのフランスパンのようなバゲットが0.5ユーロ(60円ぐらい)で買えるので、あとはカット野菜(たくさん入って1ユーロ120円ちょい)と盛りつければ、見栄えも整います。日本だとおいしいパンは高いですが、ヨーロッパはおいしくてもパンはかなり安い。同じくハムとチーズも安い(ただし日本より塩っ辛い)ので、8年前に初めて欧州に訪れたときは、そればかり食べていました。

調理時間は10分ぐらい。ちゃっちゃっと晩飯です
そうそう、調子にのって何種類も作った日もありましたよ。残り物のトマトソースを下敷きにソーセージ。試しに買ってみたハムとコールスローとカット野菜でサラダ。ブロッコリーをグズグズにゆでて、クリームチーズソースを合わせてパスタも作りました。同室だったライターさんに、「馬なみに野菜を食べるって聞いてたけど、ホントに食べるんすね」とあきれられましたw 食べきれなかった分は翌朝にまわしながら、残さず全部食べました。

見た目は派手ですが、4口もコンロがあるので時短調理できました