
牛丼チェーン3大勢力の一角、みんな大好き「松屋」がとうとう「豚めし」の販売を終了する。1月8日、9日のラストを目前に悔いが無いように喰ってきた。寂しいが、思い残すことはないぞ!
松屋 豚めし
http://www.matsuyafoods.co.jp/menu/list/index.html?cate=B#iconExplanation
「豚めし(ぶためし)」は、BSE問題の影響で牛肉の流通が滞った際、代用メニューとして「松屋」に登場した。時を同じくして牛丼チェーントップの「すき家」は「豚丼(とんどん)」を、業界2位の「吉野家」は「豚丼(ぶたどん)」を提供し、代用メニューながらおそらくは一定のポジションを築けていたのかと思う。ちなみに、すき家と吉野家はすでに豚丼の販売を終了しており、松屋は最後の砦となっていた。
豚丼・豚めしの終了にあたって、各社共に牛丼・牛めしへの原点回帰を公式な終了理由としているようだ。おそらくは、牛丼の価格競争に向けてさらに効率化する必要があり、選択と集中が必要になったのだろう。
大きな鍋が必要な煮物(牛丼/豚丼など)は、スペースと運用、品質管理に手をやくらしい。牛と豚の丼を展開すれば二つの鍋が必ず必要になるのだ。しかも松屋はリニューアル提供される牛めしの価格を下げる方針を示しており、牛めしの注文増が予想される状況にある。また、鍋は常に加熱状態にあるので、美味しい状態をキープするのが難しいという話もある。
■3社のポイントを勝手に想像してみる
たとえばすき家は、牛丼に集中してトッピングメニューを充実させることでバリエーションを増やしている。その他のグランドメニューについては、想像でしかないが、冷凍・冷蔵・真空パックで成立するものだ。例外があるとすれば、カレーぐらいだが、味の方向性はレトルトに近い。味よりも効率に軸足を置いたファーストフード的な印象がある。
すき家 メニュー
http://www.sukiya.jp/menu/
吉野家はおそらく、牛丼と牛鍋丼を主力に据え、すき家のようにトッピングを充実させる戦略だろう。かつて“牛丼一筋”を謳っていただけあって、味のする牛肉を使っている。最近になって、十勝のご当地グルメを再現した「焼味豚丼」(コレが結構うまい!)を提供しているが、おそらくこれはあらかじめ火を通してある真空パック(もしくは冷凍)豚肉を調理場でタレに絡めて温めるタイプのものだ。吉野家は生姜焼きを提供していたことがあり、たしかこの方法をとっていたはずだ。
吉野家 メニュー
http://www.yoshinoya.com/menu/
業界3番手の松屋は上位2社と異なり、調理場に鉄板がある。煮物と異なり焼き物は鉄板1つでメニューにバリエーションが出せるのが利点だ。調理に時間がかかり焼き場に人を要するため、2社よりも人件費がかさむものと想像するが、肉が焼け焦げた匂いはやはり本物だ。焼き物は基本的に冷凍冷蔵食材で、焼いたものをすぐ提供するため品質管理は楽なはず。豚めしを終了しても、焼き物でバリエーションが出せると踏んだのかもしれない。
■松屋の豚めし、販売シェア5%はホント?
ところで、豚めし終了を伝えるニュースがちらほら掲載されているのだけど、J-CASTという胡散臭い系の話題を扱うメディアでは、通常の豚めしの販売シェアが5%と書かれていた。気になって調べてみたら、テレビ番組「お試しかっ!」で取り上げられたという、松屋人気メニューランキングが見つかった。
それによると、販売1位は牛めし(並)で、2位が豚めし(並)、3位がカレーライスと続く。J-CASTの記事も「お試しかっ!」で放送されたという触れ込みの情報にも、申し訳ないけど一定の胡散臭さが漂っている。情報の足下がゆるゆるなのだが、人気2位の販売シェアが5%ってのはなんだか腑に落ちない……ような気がしないでもない。
まあ、豚めしが腑に落ちればいいのか。ともあれ、ごちそうさまっした!
【J-CASTニュース】
廃止決定で「豚めし」人気急上昇 「やめないで」「なぜだ」と大騒ぎ
http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/jcast-118245/1.htm
【ぐるてれ】
松屋人気メニューBEST10
http://otameshika.gurutere.com/1637.html