
木場の東京都現代美術館(MOT)で、名和晃平の展覧会『名和晃平─シンセシス』が開催されている。8月28日まで。
名和の作品にはいつも、なんとなくわかったようなわからないような内容の文章が添えられる。果たして必要なんだろうか。コンテンポラリーの作家ではあるが、コンセプチュアルなメッセージが強い作家ではない。表現手法としては、オーセンティックに“彫刻”しているのが名和の作品であり、ガラス玉や発泡素材などの表面処理は、“意味”よりも造形美につながっている。考えるよりまず、素直に感じることができるのが彼の魅力ではないだろうか。
MOTでは、その広い展示スペースを活かし、国内の美術館らしくない気持ちいい展示が楽しめる。今回の展示でも名和作品を存分に堪能できることだろう。
MOTに行くなら、常設展示も意欲的なのでチェックしたいところだ。インスタレーションやビデオアートなど、壁面展示にとどまらないのが現代美術の世界だ。こうした中で国内屈指の現代美術コレクションを誇るのがMOTである。設立がバブル期、ウン億円のリキテンスタイン作品購入、現代美術への理解不足から、逆風の中に置かれることの多い施設だが、ハズレが少なく企画力のある展示が特徴になっている。先日紹介したヤノベケンジの作品もデデーンと展示されている。
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/124/