人に優しい宿 イケア 100%ChocolateCafe. フォートラベル マイナビ賃貸

2010年11月28日

パビリオン山椒魚

 映画「パビリオン山椒魚」を観た。ヤバい、面白かった。監督は冨永昌敬氏。2006年9月、東京テアトル配給。



 つまるところ、とらえどころのなさがたまらなく気持ちいい作品だった。映画の中で世界が動き出すと、普通はその物語がどういう方向性のものであれ落ち着いてくる。ホラーやサスペンスなら怖さ方向で落ち着くし、コメディなら楽しい方向に落ち着いてくる。それがこの映画では最後まで落ち着いてこないんだ。

 楽譜を開くと、五線譜の上におたまじゃくしを置かれている。そこにあるメロディが明るく楽しいか、悲しくさびしいものであるかは別として、楽譜の上のおたまじゃくしは、紙の上にそれが印刷されているという事実だけで落ち着くもんなんだ。しかしこの映画、ふわふわと雰囲気だけ漂っていていろいろなものが繋がらない。なのに、それが嫌じゃない。

 盛り込まれている要素はたくさんあって、探偵もののようであり、70年代のサスペンスもののようであり、その一方で家族ドラマだったり、ヌーベルバーグの頃のフランス映画のようなひょうひょうとしたところもある。そうした要素の「きっかけ」がたっくさんちりばめられていて、普通はそれが継続していくから物語は落ち着いていくが、ボタンを掛け違えたまま着ているような違和感が最後まで残る。

 作品には一貫してすっとぼけた匂いのようなものが漂っていて、その匂いが居心地を悪くさせないまま、観る側になんだかよくわからないということを許させている大変変わった作品に仕上がっている。

 DVD特典の監督と菊地成孔氏のオーディオコメンタリーもとても面白い。菊地は今作で音楽を担当しているが、「何度観てもつながりがわからない」とこぼしており、それを監督が解説する内容。あわせて楽しみたい。


posted by ブービン at 01:24| 映画・ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。